竜巻で思った、一般人撮影の特ダネ写真と報道

越谷で竜巻が発生した。

その30分後にはTwitterでは全国に竜巻の写真とともに拡散され、NAVERまとめにまとめられ、はてブや2chで言及され多くのネットユーザーに知れ渡ることになった。

そしてその頃ヤフーニュースでは時事通信の速報記事や各新聞社の数行の記事が載るだけだった。

SNSとスマホの普及により、報道機関よりも早く事件事故の情報が一般人の手によって拡散されるようになった。
情報の正確さ、デマの有無という問題はあるが速報の点だけみれば新聞やテレビはTwitterには勝てないだろう。

今や誰もが高精度なカメラを持った通信端末を持っていて、そして誰もが発信する口を確保しているのだ。

東日本大震災の頃からそのような状況ではあったが、当時はまだスマホは一部のガジェット好きが持っているに留まっていたが、
今や中学生から中年までがスマホとSNSをやっている状況であるから、
街中に記者が潜んでいるようなものだ。

福知山の花火大会爆発事故も当時の鮮明な映像はその場に居合わせた一般人によるものであったし、
今後も臨場感のある映像や画像は一般人から報道機関を経ないで公開されることになるだろう。

群がるマスコミ

今回の竜巻では、偶然竜巻を撮影した高校生のTwitterアカウントに沢山のマスコミ各社の掲載許可が来ていた。
Twitterのやり取りはオープンになるので、今まで個別にしていた交渉も我々第三者が見ることができる。

今までも現場に居合わせた一般人にも写真撮影をしたかどうかを聞いて、提供してくれるように回っていたようだけれども
今の時代はネットでもこの交渉が行われるようだ。

ちなみに僕はとある大きな事故現場にい合せたことがあって、携帯付きカメラを持っていたので
なにか撮影していないか?撮影していたら提供をお願いしたい。という事を聞かれたことがある。(ちなみに撮影は何もできなかった)
そうやって眠っている一般人撮影による特ダネ写真を掘り起こそうというわけだけれども、Twitterの写真は新聞やテレビより先に公開されてしまっているので今後テレビよりネットがメディアの主流になれば提供の許可をもらってもあまり報道の新鮮さはなくなるだろう。

これは事件事故など偶発的に起こった事の速報なので、他の分野でTwitterやまとめサイトが勝てるとは思えないが、
今までのマスコミ独占の状況から考えれば、マスコミを通らずに発信できる口があるというのはマスコミ暴走の抑止力という意味では大きな価値がある。

写真と著作権

前に書いたことよりもこれから書くことのほうが実際書き語ったことなのだが、
掲載写真の著作権についてはマスコミ各社はどのように扱ってくれるのか気になる。

掲載許可をとってから紙面に載せるというのは良心的だが、実際大震災の時などは投稿者の許可を取らずにニュースに取り上げたということもあったらしい。

動画や写真を、クリエイティブコモンズの表示ー継承を準拠したら提供しますと言ったらちゃんと従ってくれるのだろうか?
表示−継承というのは、クレジットを表示しなければならないし、改変をした二次創作物は同じクリエイティブコモンズライセンスで配布できるようにしなければならない。

動画をCCでアップロードして、それをニュースが利用をする。
ニュースは尺を短くしたり、映像の途中に解説を入れるかもしれない。
これはつまり二次創作物で改変されたものだから、このニュースをCCで公開してくれるのだろうか?
恐らくニュース全体にCCは適用されないとおもうが、その動画を使った部分なら適用されるともう。
その部分をYoutubeなどで公開しても構わないようにしてくれるだろうか?

今後、このようなネット文化で根付いた二次創作のルールとマスメディアの慣習がぶつかる時が来るかもしれない。

その時ははてブなり2chなりで大盛り上がりになるだろうが、きっとニュースでは取り上げられないのだろうな。

 

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