超訳すぎて意味が伝わりにくいIT用語

昨日の名前空間に続いて、情報処理に出てくる言葉の和訳についてのお話。

正規表現ってなんだよ

正規表現ってなんだよ。
ものすごいかっこいい言葉じゃないの。
英語だとRegular Expression

でも、これって和訳した言葉と本来の意味というのは結構かけ離れたイメージではないか。

ちなみに正規表現というのは文字の繰り返しのパターンや、文字の種別などを表す式のようなもの
^[0-9]$
上の文字列で「行頭から0から9までの文字列のうちいずれかの文字が一文字あり、その次に行末がくる」という意味になる。
文字列検索とかで大活躍。

expressionを和訳して表現としたのだろう。
でも日本語の表現ってのは、何かしらの意味を具体的な形に変えて表すことという印象がある。
正規というのは正式であることという印象があるので、
『正規表現』という言葉だけで意味を類推すると、『正しい表現の仕方』のように思える。

Regularってのは正規とか普通のとかいう意味もあるが、規則的なという意味もある。
Expressionは表現のほかに式という意味もあるのだから
「規則的な式」という意味に原語はちかいのじゃないだろうか。
「文字列を規則的に表現する式」うむ正にこれだ。

原子性ってなんだよ

トランザクションの必要な特性としてACID特性というのがある。
4つの特性の一つ目がatomicity 日本語で『原子性』と呼ばれている。

一つの塊の処理がすべて処理されるか、全く処理されないかのどちらかになる特性で、
中途半端な状態で処理が終わらないようにするという特性だ。

よくある例としては、送金者が一万円送金して受金者(送金の対義語ってなに?)が一万円を受け取るとして
何らかのエラーがATMで起きて、送金者の通帳から一万円マイナスされているのに、受金者の通帳には一万円プラスされていなかったという事態がおきないようにする必要がある。
送金者マイナス一万 受金者プラス一万という処理を一つの塊として中途半端な状態でおわらせず、エラーが起きた場合は2つの処理がどちらも行われなかった状態にしなければならない。

つまり送金と受金の処理は不可分で片一方だけ完了という状態はありえないということ。

その特性をさして原子性といっている。

でも…原子性って意味通じない。
原子ってつまり理科でお馴染みの原子を想像してしまう。

atomという言葉には日本語の原子とは別の意味がある。

古代ギリシアの哲学者デモクリトスは万物はアトムからできていると予想した。
アトムとはギリシア語で分割できないものという意味で、物を分割していけば最終的にこれ以上分割できない最小単位に行き着くと予想した。
科学が発達して実際に原子について触れるようになった時に、この古代の用語を使ったわけだ。(実際には原子より細かい単位はあるのだが)

日本語の原子では『源となる物』という意味があるが、
Atomには『分割できない物』という意味も含まれているので、atomを原子と直訳したところで意味は通じなくなる。

原子性ではなく、不可分性と和訳すべきだと僕はおもう。

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