XPの寿命が近づいているね。
今更遅いけれど、乗り換え需要を見越してそれほど詳しくない人向けの記事が書かれたりしているね。
最近面白かったのは、数日前の日経に
「XPサポート終了を機に社内環境を見直そう」みたいな社説が載っていた。
いや、遅いだろ。なにもかも遅い。
後藤隊長なら「遅すぎたんだ!!」って怒るくらい遅い。
IT資産に対して正しく運用している企業なら遅くとも4年前くらいからすでに2014年を見越してXPや2003ご臨終後のことを考えているし、こういう記事を書くとしたらそのタイミングしか無いと思うが…
だがすぐそこまでXPの寿命は近づいていて、そして少なくない人がまだXPを使っている。
乗り換え対策をしていない人たちはおそらく1年前でも現実感を持って聞いてくれなかったと思うので、このぎりぎりのタイミングで乗り換え対策を急かす記事がでるのもしかたないのかもしれない。
そして日経の社説もその一つなのだろう。
それらの記事の中で、WindowsXPに操作感が似たWindows7を勧めるものが多いが、
果たしてWindows7でいいのかどうか…
Windows7の寿命も意外と短い
Windows7のメインストリームサポートは15年1月13日に終了する。
あと1年後だ。
それから延長サポートにはいるのだけれども、延長サポートではセキュリティの対策しかされなくなる。
メインストリームサポートは新機能の追加があるのだが、延長サポートは次期OSに移るための保証期間のようなもので
IEなどWindows8.1では新しいものが出ているのに、Windows7では新しいものが出ないという状況になる。
XPの終了からなんですぐに7も終了するんだ!!と怒りの声が聞こえそうだが、
7は2009年発売で、家庭向けXPはその時にサポートが終わる予定だった。
それを無防備なパソコンが大勢放置される危険から、延長サポートを家庭用にも適用させた経緯がある。
実際、その時にXPは終わるということは一般消費者には伝わらなかったようだ。
ここ二年くらいでポッとXP終了するという情報だけが出てきて、MSの殿様企業体質に踊らされた消費者と中小企業という構図の報道がなされているが、正しく情報収集をしていれば五年前にはすでにXPの命は短いと知っていたはずだ。
同じようにWindows7の命もそう長くはない。
あと6年しかない。
新機能追加は1年しかない。
それでも、操作感からXP乗り換え先は7がいいという記事が見られるが、
それを盲信して残りのサポートを考えないでPC乗り換えては
5年後に再びXPの時と同じように慌てることになるわけだ。
もちろん8.1を手放しで勧めるわけではない。
僕はWindows7もそれほど使っていないし、Windows8系のOSは触ったことが無いからどちらが良いかなんて言えないが、
少なくともWindows8.1は18年までメインストリームだし、延長サポートも23年まである。
使用しているソフトの互換性などの問題があるかも知れないが、とりあえず8.1を試してから決める方がよいだろうし、
ただ操作感が近いというだけで7にしてもただリスクを先延ばしにしているだけでしかない。
そして、その事を決めるにはあと二ヶ月ちょっとでは遅すぎる。
だからXPについて騒ぎ出すには遅すぎたんだ。
もうサポート終了は5年前Windows7が発売した時から始まっていたんだ。
操作感や互換性なんてそんな瑣末な問題
企業が受注した独自のシステムの互換性が問題であるというのならば仕方ないが、(それでももっと早く対応しておくべきだが)
それらの記事を見る限り操作感や今まで使っていたソフトが使えるということでWindows7を選ぶ一般消費者や企業が多いようだ。
(Windows7のPCって一応ビックとかでもまだ売ってるんだね。)
操作性なんて、二週間使っていれば大概なれる。
似たような感じで操作がしたいという気持ちはわからないでもないが、二週間すれば大概昔の操作方法なんて忘れてしまう。
重大なシステムとの互換となれば話は別だが、昔買ったソフトウェアが使いたいからというのならば新しいソフトなりを使ってみればいいだろう。オープンソースだっていいものが揃っているかも知れない。
人間も市場もソフトウェアも新しい方に適合するし、現状を変えるのを怖がっては何もできない。
また、操作感で作業効率が左右される仕事というのは正しく仕事のプロセスが標準化、自動化できていない。
今買う資産が20年まで持つか23年まで持つかという問題にしてみたら、操作感などは問題にならないと思う。
2020年問題が今から楽しみだ
おそらくXPが終わるからとりあえず7に変えようという中小企業は今のところは延命できただろう。
だが、20年には7も終わる。
この前乗り換えたばかりなのにもう来た!!と思うだろう。
今回安心していて、その頃には忘れているかも知れない。
IE10まではドキュメントモードという旧IEの互換性を保つ機能が有ったが、
それも2020年までだ。
今回は楽にWindows7に逃げられたとしても、20年の今は見ない新しいOSへの乗り換えは今回ほど楽ではないだろう。
そして今回XPの終了を予見できなかった企業は6年後も同じ過ちを繰り返す。
もっと阿鼻叫喚が聞けるのは2020年だな。