新宿から電車で30分。
住みたい街No1の常連、吉祥寺にある井の頭池は今水がない。
先週あたり、ニュースでもやっていたからご存知だろうが、水を抜いて底をさらって天日干しをして水質向上と
外来種の調査と駆除を実施するそうだ。
そしてこの作業のことをかいぼりというそうだね。
井の頭公園100周年にあたる2017年までに三回実施される。
せっかく面白いことになっているので見物に行ってきた。
いつもの公園は人は多いけれども、通常の週末より人出が多かった。
いつも車で吉祥寺に行くのだけれども、五日市街道も多かったし、商店街もいつもより人が密集していた。
もしかしたら、かいぼりを見物しにくる人で10%増しぐらいになっていたのかもしれない。
写真でも分かる通り、橋の上は人が沢山。
汚い土の写真を取る人ばかりだった。
このとおり池の底は汚い。
報道では250台の自転車が見つかったというが、まだまだ池の底には自転車が埋まっている。
写真中央に見えるのは、ショッピングカートだ。
カートごと万引きして捨てた不届き者の仕業かもしれない。
ここに投棄されている自転車もだいたい窃盗されたものだろう。
この写真を見て欲しい。
お分かりかと思うがカーレンジャーのレッドレーサーのお面だ。
1996年に放映されていたのだが、18年の間池の底に沈んでいたのかもしれない。
お花見シーズンに買って浮かれていた子供がうっかり落としてしまって、そしてせっかく買ったお面が池に入ってしまって沢山泣いて…
そんな子どもももう20代
普通、紛失してしまえば数日後には焼却炉行きだが落とした本人もまさかこんなところで大勢の人に見られているとは思いもしないだろう。
池の底はタイムカプセルのようだ。
汚い画像三個目で申し訳ないが、今度はこんなものが落ちていた。
左側は機種が特定できた。
DOCOMOのF505i 2003年の夏モデル。
持ち主はいつ紛失したかはわからないけれど、最大でも10年はこの池の底にいたわけだ。
この当時はもちろん携帯にカメラはついていたので、おそらく撮影中に手が滑ったとかだろう。
Googleのアドレス帳と動機などは当然できないわけで、落としたら即情報の紛失だった当時、落とされた本人の落胆はものすごいものだっただろう。
だが、今は端末代はとても高いが当時は結構廉売されていたのでその点では意外とケロッとしていたかもしれない。
汚い画像ばかりで申し訳ないので、数年前に撮影した(濁った)水があるころの井の頭公園の僕と息子の写真も載せておこう。
先日行った時は底ばっかり撮影したから綺麗なものがなかったもので、ブログ書いていて気持ち悪くなってきた…
画像は汚くて匂いもひどそうな印象を持たれるだろうが、匂いはそんなにひどくない。
池が無いことに気づかなければいつもどおりの井の頭公園と思うだろう。
こんな井の頭池だけれども、戦後すぐの頃までは池の底も見えるほど綺麗な池だったそうだ。
井の頭池は神田川の源流になっていて、神田川は江戸の上水になっていた。
井の頭池はいくつもの湧き水によって成り立っていて、当時は1日に三万トンの水が供給されていたそうだ。
2日で池の水がすべて交換されるほどの量だ。
それは綺麗に保たれるわけだ。
でも、高度経済成長期を経て周辺が宅地化されて、雨水を地面が蓄えにくくなったため地下水が激減
湧き水の量も少なくなったため、淀んでしまったそうだ。
詳しくは井の頭公園内の動物園の展示に書いてある。
当時の生態系を再現した展示もあるし、数年前公園内で捕獲されたカミツキガメも展示されている。
当時と今の違いを見れば、なんのために池の水を抜いたのかが分かるだろう。