SNS禁止の学校というのがTwitterで話題になっているけれども、
この禁止という措置は最悪の『禁酒法』的な措置だ。
禁酒法的な措置
学校がSNSを禁止にすると、SNSを使用することに関しては取り締まりは行われるけれども
どのように使うかを教える機会はなくなる。
そもそもが禁止で使用している事自体が学校が認めていないのだから。
でも、生徒は学校だけではなく塾や他校の友達もいるし、趣味の仲間を欲したいという人もいるし、
そもそも便利な道具があるのだから必ず隠れて使用する生徒が出てくる。
生徒がSNSを使用していることが明るみになったとしても、それを端末没収やアカウント削除強要などで『教育的措置』を行ったとしても
いわゆる『地下化』していくわけで、大人が教えないまま取り返しの付かない大失敗をすることになってしまう。
禁酒法により酒造が地下化して密造酒や違法な酒場などが現れたように、SNS禁止も大人の目の届かない地下化した学校裏サイト化していくことになる(もちろん全世界に拡散されうる公開をしているのかも知れないが、生徒たちは自分たちの世界だと勘違いする。)
技術という教科には情報の教育が含まれるのに
中学には技術という教科がある。
この技術の中には『情報通信ネットワークと情報モラル』も教育のターゲットに含まれている。
SNSは単なるゲームの延長ではなく、すでにソフトウェア開発のコミュニケーションツールであったり、
データマイニングによる世論調査であったり、
マーケティングや広報にも使われている。
すでにメールやウェブサイトと同じようにインフラとして重要な位置を占めている。
高校の教科である情報の目標である『社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ、社会の情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる』ということにはSNSのことも含まれている。
つまり、学校教育においてSNSを含む情報モラルを学ぶことは学校の教科に含まれているのだから、
それを一律禁止にするのは単なる教育放棄と言われても仕方がない。
体育という教科がありながら、ボールが当たることは危険だから野球は禁止のようなものだ。
許可制にすればいいかも
たしかにSNSの失敗は、今までの学校生活で起きる失敗とはスケールが違うものになる可能性がある。
学校外からのストーカーや詐欺、もしくは本人たちはゲームのつもりで行う不正アクセス等の触法行為。
このような学校の目の届かないところで行われる事を学校が禁止にしたがるのも無理はない。
ただ一律禁止にしてしまえば、前述したとおり細かいマナーなどの教育が出来ないことになる。
だから許可制というか、一定のテストをパスした生徒は使用していいということにすればいいのではないだろうか?
ただ、TwitterやLineアカウントを先生の監視のもと許可などとすればやはり禁止と同じような効果になってしまうので、あくまでもSNS世界は先生は不干渉という前提が必要。
テストはマナーや情報漏洩、本名の禁止、住所の禁止、
そのほかTwitterやFacebookの公開範囲や現在位置情報の設定方法などのテスト。
使わなきゃ分かんないじゃん!!ってことは最もだけれども、ただそういう設定があってこういう設定をする必要があることを知らせることと意識を持つことが目標で、
学校のテストのようないい成績を取るためのテストとは別という説明が必要だ。
結局、テストを受けなくともアカウントを作ることは出来てしまうわけだけれども、
先生に見つかってしまったら怖いという意識があれば一応受けておこうかという流れになるのではないだろうか。
学校内で先生がAdministratorになっている校内SNSなどを使ったりして、希望者には参加させて、少しずつならしていくというのも良いかも知れない。
SNSなどのマナーは家庭でやることだから学校は禁止でも良いんじゃないかという意見について
『そもそも、こういうマナーについては家庭内教育の範囲なのだから学校が口を挟むべきではないし、
学校は学校で責任を負いたくないという本音があるのだからそれはそれでいいのではないか?』
という意見が予想されるが、
家庭内の問題であれば禁止にするべきではないし、禁止まで踏み込んで干渉するのであれば前述のようなSNS教育のケアが絶対必要になる。