虚益というのを最近考えた。
いつだったかツイートしたんだけれど、ブログにも書いたような気がしたけれど
それはどうやら気のせいだったらしい。
虚礼廃止とかいう流れ
お中元やお歳暮の季節になると、虚礼廃止とかいうので
送らないようにしましょうとかいうのが会社内である。
行き過ぎた礼儀が賄賂として機能したり、仕事上の評価とは別のところで評価されてしまうかも知れない。
実際に偉い人は評価をしないかも知れないが、『評価するのではないか?』と一般社員に思わせてしまうところでも問題がでてしまう。
礼儀が逸脱して弊害を生むということで虚礼という言葉になったのだろう。
昨今、こういう流れになっているそうだ。
バレンタインデーの義理チョコも虚礼に近いことになってしまっているね。
お世話になったからお返ししたいとか、食べて欲しいとか、そういう気持ちから発するものであればいいけれどもね。
虚益という考え
虚礼とは、本来の意義を失い形骸化した礼儀がデメリットしか産まなくなってしまった状態ということで、
形骸化した○○が今までやってきたことだからやらなければならない状態を総称して虚益ということを考えた。
益というと損得勘定的な考えに基づいていると思われてしまうだろうが、
どちらかというと、『やらなければならないし、やらないと不利益を被るぞ』というニュアンスで益という言葉を使ってみた。
例えば名刺のマナーとか、お酌の仕方とか、お釣りの渡し方とか、メール宛先の並び順とか、
『気にしなければ何の問題もないこと』のこと。
事例:虚益でカスタマイズ費用
とあるパッケージを導入しました。
社員のリストは社員番号順か、氏名順で並ばせることが出来ます。
でも、この会社は偉い人順且つ同列ならば氏名順という並び方で今までやってきていました。
拘る人がいるからじゃあカスタマイズで…
そのカスタマイズ費用勿体無い。
我慢すればいいじゃないそれくらい。
数週間したら慣れるって、社内業務に何か支障きたすのそれ?
事例:ビール
なんだかわからないけれどビールが減ってきたら注いでくれたり、注いでくれたお礼に注ぎ返したりするあれ。
世話焼きアピールで料理盛ってくれたり、鍋奉行を気取って仕切ってくれる人よりも、
形式化している分こっちのほうが厄介。
飲みたくないし、ビール以外のものにもしたいし、
好きなときに好きな量だけ飲むこともできない。
話に入る切っ掛けを作るためのものなのかも知れないが、そんなことに頼らなくても横に入ってくれればいいじゃないか。
事例:髪型
男性は長くしちゃダメとかバイトの時に言われた時があったけれども、
女性はある程度認められているでしょ。
清潔が目的ならば女性も同程度短くなければならないか、逆に男性も女性と同程度長くできるはず。
ただ、見た目の印象なだけで、
たしかに髪ボッサボサのズルズルーと長い状態で接客されてしまってはこっちも「きったねー」と思うが
それは女性も男性も同じで、同じ髪型を女性がやっても同じように思うだろう。
hydeレベルに綺麗に整っていれば、それは何も思わない。
もちろん汚い綺麗の基準はどこかで標準化しなければならないけれども、
男性だから短くとか女性だから長くしていいとかはあまり意味がない。
事例:ネクタイ
ネクタイなんでするの?
夏にネクタイしなかったじゃん。
冬でも必要ないってことだよ。
ネクタイにスタッドレス機能や防寒機能無いんだから、無くても構わないでしょ
まとめ
これを突き詰めていくと、難しい面があるのは認める。
クチャラーなどの生理的嫌悪感を与えるものは仕方がないし、それはマナーとして認められるべきである。
ただ生理的嫌悪感というのは主観的な面が強く、髪型なども嫌悪感を与えてしまうこともある。
もっとも、ネクタイやら偉い人順というのも、それらの虚益を固く守っている人は破ることによる生理的嫌悪感を強く感じているのかも知れない。
ただ、それらの固く守られていたマナーをなくしても構わないと認知して行けば、意外と嫌悪感はないと知ることもできるかもしれない。
伝統でもマナーでも何でも、が良いのかそれに寄って何が得られ、逆にどんな弊害を生んでいるのかを分析しなければ、今隠れている差別的な風習や不公平な職業事情、職業本来の業務以外のことに割けられている労力などが隠されたままになってしまう。
嫌悪感を感じるか、何処までが大丈夫かとマナーを解体し再構築していく必要があると思う。