人工甘味料の甘くない過去

お腹が痛い。
比較的お腹を下しやすい質で、一日に数会トイレに行くこともザラである。

ある時、キシリトールののど飴を食べていた時である。
喉が痛いので、無くなったらすぐ次に行く、喉が痛い以外は特に症状がなかったのだが
舐め始めてから一時間くらいたった時である。
急にお腹が痛くなった。

その次の瞬間、すべては終わっていた。

その瞬間に何が起こったのが、もうすこし詳しく説明しよう。
お腹が痛くなった。
迫り来る危機を察知して半ば条件反射的に立つ。
そして最初の一歩を踏み出す前に、向かうべき場所はトイレではなく風呂場になっていた。

キシリトールは毒性はないそうだが、下剤になるそうだ。
それ自体毒のようなもんだろうと思うが、平気な人には平気らしい。

昨今のダイエットブームや低カロリーブームで多くの加工食品に人工甘味料が使われるようになったが、
この事件のためキシリトールからはだいぶ遠ざかっている。
アスパルテームは後味が苦いので好まない。

僕は今では人工甘味料はなるべく避けるようにしている。
コーラは普通のコーラだけだし、カロリー0という文字が書かれている菓子や清涼飲料は避けてしまう。
カロリーOKカモン糖というタイプなのでわざわざ人工甘味料よりは普通の糖を選ぶ。

人工甘味料は僕のようなお腹を下してしまう人には結構なリスクがあるが、
でも今は結構恵まれている方ではある。

人工甘味料は結構昔から求められてきたそうで、それは現代のカロリーオフが目的というよりかは
戦争による砂糖不足によるものが普及の理由だったようだ。

今では余り見られない人工甘味料はどのようなものがあるか、調べてみた。

昔の人工甘味料たち

サッカリン

サッカリンは、歯磨き粉にはいっているぞ。
成分表をよく見ている人にはおなじみだろう。

あとジョージ・オーウェルの『1984年』でもおなじみだ。
あの小説の舞台の時代では物資が欠乏しており、砂糖ではなくサッカリンが主な甘味料になっている。
そう、サッカリンは戦争で砂糖不足があって普及することになった。

そのサッカリンも、発癌性の懸念があり一時期は使用禁止になったそうだが今はその可能性が低いとされているらしい
だけれども日本では食品には使われなくなったそうだ。
あとアスパルテームみたいに後味が苦いらしい。

チクロ

チクロはサッカリンみたいに発癌性の危険性があると報告されて
使用禁止になった甘味料だそうだ。
禁止にされたのは69年だそうで、僕の親世代(今年還暦)くらいだったら子供の頃に親しんでいた甘味料だったかもしれない。
特に安いので何でもかんでもはいっていたそうで、当然菓子にも入りまくりだったんだと思う。

ズルチン

名前からヤバさが伝わってくる。
後味が苦くないということと安いということで戦後初期は結構使用されたらしい。
しかし、発癌性などが認められて使用禁止になったそうだ。
Wikipediaをみてみると、留守中に大量に舐めた子どもが死亡ということも書かれていた。
一休さんが和尚さんに、水飴が毒であると騙された話ににているが、本当に毒な飴なんて洒落にならな無い。

なるほど色々な人工甘味料があったわけだ。
そして大体が何か危険性があって規制されたり、濡れ衣が晴れても規制がとけなかったりする。
今は研究が進んでいるし、安全性の確認も相当頑張っているんだろう。薬を認可してもらうようにね。

でも戦前戦中戦後付近は、人類も新しいテクノロジーへの無邪気な気持ちみたいなものがあって、新しい物はどんどん使っちゃおうという製品が沢山あった。
家庭内原子炉みたいなものや、それこそ今では禁止されている薬が大衆薬として出回っていたりすることも沢山あった。
そういう一つのパターンが甘味料の世界にもあったんだなぁ。

そして今も沢山の甘味料が発明されている。もちろん安全性はかなり向上しただろう。
化学者としては新しい甘い物質を探求したい気持ちはあるのだろうが、でも、僕はもう充分だろうというきもちがある。
それよりも日本人のカロリーフォビアをどうにかしてほしい気持ちのほうが強い。

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