女性を悪漢から守った話

『わざとぶつかってくる人』というのをツイッターで見て、自分より弱そうな人に強気にハラスメントする人が多いんだなと思った。

男女じゃなくても、立場的に弱い店員に強気に出る人も同じ感じなのだろう。

接客業でバイトしていたころも、店員に嫌がらせするタイプも来たことはあったが、上司が公正に対処するタイプだったので、我々下っ端も「お前は客じゃねぇ。警察呼ぶぞ」と若干のオブラートに包んで言うこともできた。

そのバイトで、僕の人生で一番人のためになったエピソードがある。

ハラスメントとはちょっと違うかもしれないし、撃退ってわけでもないが、僕は頑張った。

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店にて声をかけられる

バイト先は東京の繁華街のど真ん中、一種のランドマーク的に目立つDVDやゲームなどを売っている店の1階だった。

ただ目について店に入った人、通り抜けるだけの人、待ち合わせの人などが賑わう常に混雑する店だった。

いろんな人が商品を見るので、陳列の歯抜けなどを直したり、補充などするために、バイトは頻繁にフロアを回っていた。

そういうときに商品の在処を聞かれることもある。

その時もまさに商品の場所を聞くような感じでその女性は話しかけてきた。

大人しそうなOL風の女性だ。

「すいません。ちょっといいですか。」

カップルのように見えて、女性のすぐ横に男性がいる。

男性は清潔感ある青年だ。

女性からは商品の質問が来ると思ったが違った。さっきの声のトーンより大分小さくやっと聞こえるような声で

「助けてください。ずっとつけられてるんです。」

なんのことか、はじめわからなかったが女性が隣の男性を指し示すように目配せをして、僕は理解した。

この男はずっと付きまとってるんだな。

男は僕という第三者が来たからか若干女性より離れていた。歩数でいうと三歩分くらい離れた。しかも無関係を装ったのか、反対側を向いて商品を吟味しているふりをしてる。

さっきまでカップルかという距離だったのに、女性が僕に話しかけた途端関係ないような行動をしはじめた。

おかげで「付きまとわれてる」という意味が理解できた。

男は逆にカップル風を装っていれば僕の理解も追いつけなかっただろう。

逃げる

「こちらですねー」

と僕は女性を商品棚に連れて行くような感じで動き始めた。

女性もついてきてくれる。

しかし、どうしようか。

スタッフ出入り口から裏側に入れて警備員室に助けを求めるか。

と思いながらウロウロしていると、男は「僕は無関係です」モードに入ってるため大分遠くに離れてくれていた。10メートルくらい離れてあとを付いてきてる感じだ。

ラッキーなことに超混み合うこの店なので、入り口付近に来てしまえば撒くことができる。

入り口付近に女性を待機させて店の中を見てみると、男は人混みで見失ったのか、逆方面に進もうとしていた。

「逃げられたみたいです。繁華街の方の人混みに紛れればもう安心ですよ」

と、女性を店から逃した。

その後

20分位すると焦って人を探してるような動作をする男が「うぉぉぉぉん」と泣きながら走って店から出てった。

見た目は普通の好青年っぽいのに、こう本性が出ると怖いな。

出ていったのは、女性を逃した道とは逆の方面だ。

一時間半くらいたったあと、レジにさっきの女性が来てお礼を言いにきてくれた。

あの後しばらく身を潜めていたようだ。

これが僕が人助けした唯一のエピソード

あの男は誰もいなければ女性にピッタリくっつくことを厭わない行動力があったのに、大分ナヨい僕が出てきただけでもちょっと離れちゃうので、女性ってだけで強気にいけちゃうやつはいるんだな。

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