理解なんてものは概ね願望に基づく
映画『イノセンス』にこんなセリフがあるが、
本当に人間の理解というものは大体自分本位だ。
自分探し?それとも、自分からの逃亡?
自分探しをしている若い人多いとおもう。
自分が何をできるのか、何に適性が有るのかを探るために、
海外に行ったり、サークルに参加したり、
なにか人と違う事をやって自分を確かめているようだ。
人生の遠回り、良いと思います。
順当に現役合格を続けて新卒で就職をしてというのも良いけれど、
人の決めた価値観に阿らず自分で決めていくというのも良い生き方だ。
だが、往々にして人は都合よく理解をするものだ。
自分探しで理解したものは自分の願望が強く反映されていて、客観的に理解されていないかもしれない。
こうありたい自分を持つのは良いが、自分を過大に評価したため
目標までのロードマップが夢物語のようなものになっているということもある。
それは、自分の願望もしくは現実逃避の顕れなのかもしれない。
現実的な目標に落とし込めていればいいが、
漠然とした夢が反映された自己理解は、都合のいい理解でしか無い。
一庶民であることを恐れて、漠然と自分は一廉の人間だと思う自己理解は、
現実逃避でしかない。
欲張るな
自分がどんな適性があるのかなんて、若いうちから理解するなんて難しい。
数年で蒔いた種の芽が出るというのは難しい。
今の自分に不満を持つのは良いと思うし、無駄なことを無理して我慢して堪えてうつ病になるというのは問題だが、
何も成果をあげず、様々なことをはじめては止めることを続けるのも問題だ。
あれも欲しいこれも欲しい、自分ならできるはずで手を変えしなを変え自分磨きをやっても
何も磨かれない。
英語やったけれど続かなかったから適性ないからフランス語やって、プログラミングちょっとやったけれど難しいから、
次はデザインをやってみよう。
などなどそんなことをやっても何も身につかない。
そもそもどんな天職でも最初から「これだ!」という感覚になるというのは稀だとおもう。
やはり、最初は地味だし泥臭い仕事も多い。
結局は継続して行かなければものにはならない。
もちろん遠回りは大いに結構だ。
いろいろな事をやって経験を積むのはいいことだ。
だが、芯をしっかり持って置くことが大事。
踊らされるな
安易な自分探しや、一廉の人間願望を煽るのはマスコミや企業のメッセージもあると思う。
フリーターという言葉が、夢を追いかける自由人として持て囃された時代もあった。
また起業をすすめるアナリストや
FXやデイトレードで大金をつかめるとそそのかす企業もある。
そういう、自分を一廉の人間と思わせるキャッチフレーズが街にはあふれている。
だがそれは貴方たちに向けたものではなく、貴方達の財布に向けた言葉だということだ。
それで無償の善意で自己実現の道標を与えているわけじゃない。
求人雑誌の部数を伸ばしたり、講演や本を買ってもらったり、FXのサービスを使ってもらいたいという事であって、
「バナナ安いよ!」って言われているのと同じで「貴方は選ばれた人だよ!!」って言われているだけ。
そういう甘い言葉で見つかる自分というのは大体誤った自分だ。
とりあえず、逃げないで地味でもいいから一つのことをはじめて成果を上げてみるという事が大事だと思う。