ローリングストーンズをモチーフにした酒のシリーズが売り上げ不振により販売中止になったというニュースをみた。
「ストーンズバー」生産打ち切り 若者に浸透せず不振 サントリー
ビール離れが進む20~30代の若者層を取り込む狙いだったが、売り上げは「目指したものに届いていない」(相場康則社長)と想定の半分程度にとどまった。
狙っている年代を完全に間違えているだろう。
ストーンズの世代とはもっと上だ。
この社長がもろ世代だな。
ローリングストーンズと聞いてもあのマークのバンドでしょっていうのが20代の大半の認識だろうし、
スティッキーフィンガーズと聞いてもストーンズのアルバムとは分からず、ブチャラティのスタンドだと答えるのが20代だ。
そういえばローリングストーンっていうスタンドもあったな。
もちろん、ストーンズが若者に人気がないというわけではないが、少なくとも若者をピンポイントに狙う素材ではないだろう。
中年以上のおっさん狙いってなら話は分かるが…
もっとも、若者狙いではこのような無形の付加価値をつけて売るというのはあまり成功しないのじゃないかな?
付加価値の用法があっているかわからないが、つまり何かオマケみたいなものが付いてもあまり食いつかないと思う。
若者というか僕ら30前後の世代はやはりコスパで物を考えるからな。
デザインが良いとかステータス性があるとかそういうものよりは質実剛健で安い物を求めるか、
デザインが良くても安さと釣り合いが取れる妥協点を探る。
酒はそもそも無くても生活は営めるわけで、生活必需品や実際に目に見える効果があるもの(パソコンとかステーショナリーとか)に付加価値的なデザインとかがあったら買うかもしれないけれど
元々不必要という事で節約されている酒でこういう無形の価値が付随していても若い層は買いたいとは思わないのじゃないかな。
コスパと取捨選択で物を買っている世代だからね。
もっとも、物売る側にしては値下げばかりで提供したら牛丼業界のように泥仕合になるから避けたいだろう。
値段下げたら簡単には上げられないし、そもそも嗜好品だから下げたから売れるというわけでもないしね。
金が無い人に必需品ではない物を売るのは相当難しいんだろう。
若者の○○離れとか言われるけれど、離れている原因は切実な家計の問題があるわけ。
価値の多様化というのもあるけれど、金が余っていたら実際オシャレなバーで飲みたいとかそういう願望はあるよ。
カマロとか乗って、高価な服を着てみたいよ。アイアンマンみたいな生活をしたいさ。
だが皆さんそういうステータスの価値よりは現金増やしたいわけだ。
ステータスは資産にはならないからね。
若者の○○離れの原因は、やはり企業の若者離れだよ。
就職難だし、非正規社員を増やして安定性が若い世代から無くなってきているわけだから、
自然と堅実になるわけだけれども、それで若者の所為で物が売れないと言われるのは心外だ。