電子書籍が少しずつだけれども着実に浸透している。
GoogleBooksなどスマホでも簡単に買える仕組みもできてきて、リーダーを買わなくても誰でも手軽に買えるようになってきた。
まだまだラインナップは貧弱だけれど近い未来書店で売られている以上の書籍を家に居ながらにして瞬時に買える時代が来るだろう。
それでも僕は従来の紙の本を買いたい。
今は書店が激減していて本が買いづらい環境になっている。
近所に本屋は四つあったのだが、三つ閉店して残りの一店は駅内にあるワンフロアの小さい書店だけになってしまった。
会社のビル内にあった書店も閉めてしまって、会社から家までの間には一店しか本屋が無くなってしまって本を選びづらい状況である。
最後の本屋も無くなり、買いに行くのに遠出をするようになる可能性だってある。
電子書籍を買えば遠出をしなくても買えるようになるだろうが、それでも僕は紙の本を買う。もしくはAmazonで注文して買う。
紙の書籍の利点はいくつかある。
まず、大切にしていれば何年も何十年も何百年も残る。
電子書籍は機械が壊れれば見れないということは今はもうないだろうが、でもその電子書籍のデータを保管しているクラウドサービスがいつまで続くのかは不明だ。
自分が生きているときに無くなるという事はないかもしれないが、それでも息子や孫の代まで残したいと思うのならば電子書籍では不安が有る。
なぜ、息子や孫に残したいのかというと
親の本が手に取れる環境にある子どもというのはそれだけでも様々な知識に触れる機会に恵まれていると思うからだ。
ネットが発達したとしてもそれは能動的に調べなければならないし、学校で教えてくれることはそれほど多くない。
中学生くらいになって親の本棚からちょっと背伸びした本を読んで、知識に触れるということも必要だ。
本棚はその人の人格を表している部分があるとおもうが、親の本棚を見ると違った視点から見ることができ親子のコミュニケーションにも使えると思う。
僕の父は買った日にちまで丁寧に書いてくれて、何歳の時に買ったのかまでかわるので一種の歴史学や文献学のような楽しさが有る。
電子書籍だと本が本棚に残るわけではない。
タブレットやスマホを見ればいいのだけれども、自由に見せるわけにはいかないし、ソーシャル本棚のサービスもあるがそのサービスに登録しなければ見つけることができない。
でも、本棚だったらそんな心配はない。
また、本はインテリアになる。
好きな作家の統一された背表紙が綺麗に並んでいるのは見ていて楽しいし、部屋の雰囲気もよくなる。
友人を家に招待したときにさりげない自己PRにもなる。
確かに検索や分類の機能はありがたいし、手軽に読めることは魅力ではあるが、
それらの魅力をあわせても僕は紙媒体の方が好きだ。