東山梨消防本部で不祥事の内部告発をした職員がいたそうだが、それを特定するために携帯の履歴を提出させたり、
内部告発者には転職をすすめるように訓示で発言したりしたそうだ。
本部はこの一連の行動について「公務員が情報を漏らすのは問題。組織を守り再発防止するため」「方向性は間違っていないが、やり方が強引だった」として
正当性を主張している。
時を同じくして某製紙会社で内部告発者の解雇について提訴されたというニュースもあった。
こちらは「訴状が届いておらず、コメントはできない」とコメント
製紙会社では実際に人事権の濫用があったかどうかは裁判で明らかになるだろう。
その上で会社側に濫用の意図があったと仮定して話をすすめるが、
「配置転換、転勤、出向などを拒否した」として懲戒退職にしたということからも告発者の懲罰という意図を隠して人事権の濫用を行なっていると推測できる。
これならば理解できる。会社内での封建的な文化もあるが、法令やモラルというものもあるという事が理解できているからこそ隠れた懲罰をしたのだろう。
でも消防の方は理解し難い。
世の常識を理解していないのかもしれない。
内部告発者を懲罰したいという気持ちもわからないでもないが、それが世間的に非難されるということに気づかなかったのだろうか?
確かに、公務員はむやみに内部情報を漏らすことはあってはならないし、組織を守るためにはトップや組織に不利益な事をするメンバーを入れることは避けることは必要だ。
しかし、組織やチームというのはそれだけで独立して存在しているわけではなく、会社内のチームならば会社に帰属するし、会社ならば国や社会に、
公務員ならば自治体や国に属している。
特に公務員であれば組織を守るよりまず市民や国民のためにあるべきであって、自分の組織を守ることよりもまず社会を守るために不祥事体質を直していかなければならないだろう。
組織を守ることや情報を守ることは大切なことだが、まず何より法令を守ることが大切であり、
自浄作用が働かない腐敗した組織には内部告発も必要なのだろう。
コメントで方向性は間違っていないという事を言っていたが、組織を守ることならば間違っていないだろうな。
しかし組織を守ることで不正が見過ごされるのか、組織を壊して膿を出して新しく組織を作るか
どちらが社会のためなのかは一目瞭然だ。