一生懸命やると視野が狭くなる。前向きになると後ろが見えなくなる。

一生懸命やります!
という言葉があるが、ベストを尽くしますとはちょっと意味合いが違うよね。

一生懸命は無理をして物事をやるという感じがする。

元々の言葉は一所懸命といって、領主が命をかけて守る土地という意味で、
転じて命がけで物事をやるという意味に変わったそうだ。

一生懸命という言葉には、命がけという強い意思と自らの犠牲をも厭わない覚悟でやり尽くすというニュアンスがあるんだね。
ベストを尽くすという言葉より重い言葉だ。

その一生懸命という言葉は、仕事や勉強をするときに目標として掲げられる事が多い。
「一生懸命仕事をやります!」とか新入社員が言ってそうだ。
現代では一生懸命という言葉には命を賭ける程の重みはないが、それでも楽を捨て私生活も制限して頑張るという印象はある。

一生懸命という言葉を使っている人にとっては単なる建前の一つなんだろうけれど、それでも本当に一生懸命仕事をしたり勉強をしたりする人はいる。
毎日遅くまで残業して、生活のすべてを仕事に回している人などがそうだ。

短期間だけならばいいけれど、毎日勉強や仕事を一生懸命にやっていると本当にそれだけの生活になってしまう。
それでは一生懸命やっている事しか見えていない状態だ。

ちょっとサボって別の事をやってみると新たな発見があったりするかもしれない。

また本当に自分に向いている天職が見つかったりするかもしれない。
今ある問題点の解決法が全く別のジャンルの職業にあり、それにより活路を見いだせるかもしれない。

一生懸命はここぞという時には必要だとは思うが、常にやるものじゃない。

似たように僕が気になる言葉に、「前向き」ってのがある。
後悔してもはじまらない前向きにがんばろう!とか言うでしょ。

でも、過去を振り返ってこそわかったりすることもあるし、後悔して後悔して後悔しぬいた先に何か発見があるかもしれないじゃない。

過去に引きづられて何もできないというのも問題で、そういう面では前向きになることは必要だけれども、
後ろ向きになって暗く内省的に考えることも必要だと思う。

つまり、一生懸命も前向きも必要ではあるけれどデメリットもある。
サボったり立ち止まったり後悔したり、そういうことをしたほうが人間に深みがでるぞ。

現代の仕事はルーティンワークは自動化されやすくなっていて、多くの職業でクリエイティブな部分が増えてきていると思うけれど、
そういうクリエイティブな事は様々なアイディアが生かされてこそ素晴らしい仕事になる。
そういうアイディアというのは、遊んだりボーとしたり後悔したりそういう土壌が有ってこそ生まれるものなんだよ。

軽々しく一生懸命とかいうのは、ちょっと浅いな僕は思ってしまう。

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